『見える限り・・・』
ご無沙汰しております。とみタクシーの富田です。
以前(約1年前)のコラムで紹介させていただいた「彼」のその後のご報告です。
ひとまず「彼」について書いたコラムを確認してくださいね。
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https://re-life-support.jp/topics/%e6%98%a5%e3%81%ab%e5%92%b2%e3%81%8f%e8%8a%b1%e3%82%92/
彼の・・視力ですが眼科医からは「左目は失明と言えるでしょう」と言われるところまで来ました。
しかし現在も施設内での生活は特に変わらずお元気です。館内は歩行器で歩かれています。食事も介助は受けていません。94歳と高齢ですが視力聴力の面からは、不自由や衰えなどがあってもおかしくないのですが、こちら(介助側)が思っているよりも生活に変化はありません。
眼科医からは「施設での環境は身体が覚えておられるのでしょうねぇ」と感心されています。
車両への乗り降りの際には、段差、手すりなどが見えず足を踏み外される場面はあります。残された視力と聴力、そして体力を存分に活用されていらっしゃると思われます。
そんな中、書道展(彼が出品しています)、公民館へのクラブ講師活動(表装)、県北の実家への里帰り送迎ができました。
まずは書道展です。
書道展にて作品とポスターと一緒に1枚📷 視力が限られる状況でも立派な字を書かれています👏
帰りに受付の方から「来年も出品お待ちしております。」と声をかけられました。
帰りに道に「来年は書けるかなぁ、目が見えんで」と苦笑いされていました。「今のうちに書いておいたらどうですか?」と声をかけると
「そうじゃなぁ、書きたいのは津山の紹介じゃなぁ。院庄の歌があるんじゃ」と嬉しそうにお話されていました。。楽しみであります!
そして書道につながりますが、彼は以前から公民館で『表装』のクラブ活動講師をされていたのです。これまでは参加者の送迎で通われていましたが、最近はコロナ渦で参加も控えていらっしゃいました。この度はやはり視力の不安から送迎のご依頼となりました。
講師自ら掛け軸を手に取り、「糊が濃ゆいで、これは」「水4、糊1の配分でせんと」「最近の糊は防腐剤が入っとるけぇなぁ」など指導に熱が入られていました。
参加者の方々から彼の指導を熱望されてのことでした。素晴らしい社会参加のお手伝いができました。
帰宅時には参加者全員のお見送りでした。彼に人望があることを確信させていただきました。
そしてそして、県北にあるご実家にお連れする日が来るとは!!眼科医からも「無理をされないように行ける時に行ってください」と後押しも大変ありがたかったです。
実施日を計画しては台風接近のために2度延期となっていました。
それでも彼はあきらめませんでした。
きっかけは所持されている山に設置したという太陽光発電を見ておきたいというご要望からでした。そうなんです!彼の実家は山奥なのです🏔
出発から約2時間⏰本日の旅路を待ち望んでいたかのような快晴
到着!本当に山の上でした。実家の玄関で表札を手に一緒に同行された奥様と一枚📷
気にされていた太陽光発電📷
この里帰りは驚くような人との出会いもありました。ご親切に対応していただきありがとうございました。彼(ご夫婦)にとってとても良い一日良い思い出になったことは間違いありません。
この度はコロナ渦でもある中、外出へのご理解をいただけた施設様へは感謝しております。気候や心身機能を考えると「これが最後」と毎回思われているかもしれません。
まだまだ彼とのお付き合いは続きそうです。
『見える限り病院に行くから、これからもよろしくたのんますっ。』
4年前に彼と初めて会った日に言われました。
病院だけではなく次々と思いを実現する姿に尊敬しかありません。
そして、そのお手伝いをさせていただけることを、大変光栄に思っております。