春に咲く花を

たいへんなご無沙汰をしております。訪問介護リ・ライフ/とみタクシーのTです。
そろそろいいでしょうか?コロナさん?世間さん?
これだけ自粛したんですからね。「外出」。

我慢された方、たくさん居ると思います。どれだけ我慢すればよいのか目処が立たない状況がそろそろ先が見えてきたかな?と思い、投稿することにしました。

季節は秋です。紅葉見物にはもってこいの季節です。総社の豪渓。吉備中央の宇甘渓。近水園、みやま公園、後楽園、蒜山高原、鶴山公園など名所がたくさんあります🍁

移動がむずかしいと思われる方でも、いろんな場所に行き、見て、喜んで、懐かしんだり、思い出したり。そして笑顔になる効果が「外出」にはあります。そのお手伝いをさせていただいてます。

今回は、長く眼科の受診でご利用いただいている方のことを紹介することで、私なりの親孝行にもなるかな?と思って綴ります。

彼の右目は網膜中心静脈閉鎖症でした。はじめてのご依頼は2018年の6月でした。右目の視力はほとんどありませんでした。左目も緑内障で視野が狭くなった状態で歩行器を押されて歩行し施設で生活されています。右目の治療は注射。右目と左目で別の眼科へ通われていました。90歳を超えています。
初回の運行を終えた時に言われた言葉がずっと頭から離れません。

「見える限り病院に行くから、これからもよろしくたのんますっ。」
少しうわずった、かすれたような声でしたが、彼の意思がすごく込もっている言葉。重みを感じました。

見える限り…

あれからもう3年が経ちました。
受診の送迎でお会いするたびに
「ようみえんなぁ」とか、晴天の日に「今日は霞んでみえるなぁ」という発言を何度も耳にしました。

そして、昨年末ごろには左目も網膜中心静脈閉鎖症と診断されました。。

右目の視力はあきらめて左目に注射の治療を行うと治療方針が変更になりました。耳の聞こえも悪くなり、先生の言葉を後から私がお伝えするのがとても辛かったのを覚えています。

彼は「見えにくいと思ったったんじゃ」と苦笑いされていました。一番辛いのは本人です。

そして先月の診察では、「治療をしていた左目の動脈が閉鎖している。いまの治療は静脈閉鎖の進行は抑えれるけど、動脈の場合は、いま行っている治療が効かないんです。打つ手がないんです。」と説明がありました。医師も眉間をゆがめながらも言わなければいけない責任を辛さをこらえて言葉を発しているようでした。

彼にかける言葉が見当たらず、帰りの車の中は終始無言でした。

それでも彼は、「チューリップの球根を買って帰りたい」と言いました。

以前から受診の帰りに花の種や土などを購入されていました。「花に癒される」と彼は嬉しそうに話をされていました。

コロナ禍のため私が代行で買いました。20個くらい入っていたと思います。彩りの色で花が咲くと書いてありました。🌷

視覚。五感のなかでひとつでも欠けてしまうと生活への支障がありますが視覚は極めて大事な感覚ですね。今景色や動きや色などが見えている私が言うのも申し訳ないですが、先天性の方におかれては大変な苦労があると勝手ながらに思います。これまで見えていた方にとっても見えなくなる辛さや苦労は計り知れないものがあると思います。

彼は、視覚にも聴覚にも障害を負っている状態です。その状態であっても花を咲かすという望みを持って、今できることを行おうとされています。いえ、実際に行っているのです。春に咲く花をその目で見るために…
感服します。
私の母も緑内障で片目が見えなくなっています。「片方が見えるから大丈夫」と気丈に言っていたと思います。久しぶりに昨年会った時には茶髪(白髪染め)をやめてグレーヘアとなった私の髪色に驚きの声をあげたのは会ってから1時間も経ったあとでした。やはりあまり見えてないんだと思いました。彼女も花が好きなのです。彼に通ずるものがありますね。

どうか二人に
少しでも長く
少しでもキレイな景色を
少しでも多く見ていただきたい。
そして是非そのお手伝いをさせていただきたい🚐
その景色をしっかりと脳裏に焼き付けて「思い出」にしていただきたい。

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